ランサップ400と800の使い分けは?喫煙者には800が効く?

65歳男性、消化器科。

Rp1 ランサップ400 1シート
    1日2回朝夕食後 7TD


「ランサップ400と800の違いは?」

4月に入社した新人薬剤師君に聞いてみました。


新人君 「クラリスマイシンの量でしたっけ?」


私 「うんうん。でもね、除菌率は400も800も同じようなもんなんだよ。」


新人君 「そーなんですね。勉強になります!

使い分けってどうしてるんですかね??」


私 「・・・・。」

私 「ぅぅぅ、その人の年齢とか体重とか・・、まぁ先生も経験で決めてるんじゃないかな・・。」


調子に乗って説明してたら、知らないことまで聞かれちゃう”あるある”な話しですね。
とまあ、雰囲気で答えましたがちょっと調べてみましょう。


まずは添付文書。

ランサップの用法用量

うんうん、必要に応じて適宜増量ね。
って、その『必要に応じて』がどんなときなんだよ!

この添付文書の書き方を見るとクラリスロマイシン400mgがメインのような書かれ方をしてますが、
PPIにオメプラールを使ったピロリ菌除菌の場合、2007年以前のクラリスロマイシンの用量は1日800mgしか認められておりませんでした。
2007年に1日800mgも1日400mgもいずれも高い除菌率と良好な忍容性が確認されたため1日400mgの用量が追加になったらしい。
この時、私すでに薬剤師でしたが、オメプラールでの除菌でこんな改訂があったのはさっぱり覚えてませんね・・。
このことと、
クラリスロマイシンの国際的な基準は800mg~1000mgとガイドラインに書かれていることなどを考えると・・、推測ですが、

当初は800mg押しだったんじゃないですかね??

でも、治験何かを重ねるとクラリスロマイシン400mgも800mgも除菌率は変わりなかったと・・。

除菌率はこんな感じ。これも添付文書。

ランサップの除菌率


となると・・、ランサップ800は必要なくない??


ただ、クラリスロマイシンの用量と喫煙が除菌率に影響あるのかという試験において、
喫煙者に対してはクラリスロマイシン800mgの方が除菌率が高いという結果が出ているようです。

喫煙者 クラリスロマイシン400mg 除菌率:80.0%
喫煙者 クラリスロマイシン800mg 除菌率:91.0%

ってな具合です。

英語の文献もgoogleでサイトごと翻訳してしまえば何となく読めちゃいますよねw

喫煙が除菌に与える影響については、
ピロリ菌の除菌時に禁煙・禁酒を勧める理由は?アルコールはOK?
を参照してください。


まぁ、隣の病院では、喫煙に関係なく若めの男の人にランサップ800を出してることが多かったですが・・。
あとは、やっぱり先生の経験なんでしょうねw

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