テノゼットが大きすぎる。粉砕可?バラクルードとの違いは?特徴は?

48歳女性、消化器科。

Rp1 テノゼット(300) 1T
    1日1回朝食後   14TD


「錠剤大きすぎて飲めそうにもない・・。」

ー患者さんの状態ー
以前からB型肝炎のキャリアだとわかっていたが今までは検査のみ。
今回の検査で基準値の4を超えてたため薬物治療開始すると言われたとのこと。
血液検査のデータは見せてもらえずALTなど不明。
自覚症状はない。
併用薬は他の病院からARBとスタチン。

基準値の『4』って何?

後でガイドラインを見て調べたところ、慢性肝炎では、HBe抗原の陽性・陰性や年齢に関わらず、ALTが31U/L以上、かつHBV DNAが4.0 log copies/mLを満たす場合、薬物治療の対象になるそうです。
『4』とは、HBV DNAの量のことだったんですね。

このままB型肝炎について掘り下げると数日かかってしまいそうなので、今回はテノゼットについてピンポイントでw
B型肝炎についてはガイドラインについては日本肝臓学会のHPをご覧ください。

んで、テノゼットの大きさについて。
この時は、

「飲める大きさに分割するか、噛み砕いて服用することもできます。」

と返答。


これは以前、薬局長が言ってた説明をパクってみたんですけど、ホントに砕いてもいいんだよね??

ちなみに、テノゼットの大きさはこんな感じ。
テノゼット
確かにデカい!!
あえて小さめのオメプラール(10)と比較・・。
うちの薬局ではそんなに出る機会の多い薬ではないので、中国の工場爆発事故の影響で緊急輸入する前の白い錠剤。
直径17mm、短径10.5mm、厚さ5.3mm。

見たところ、裸錠っぽいけどフィルムコーティングらしい。
腸溶錠や徐放錠でないので、分割して飲むのは大丈夫そうだけど・・・。

粉砕もどうなの??

インターネットで調べたところ、同一成分でHIV-1感染症の適応があるビリアード錠では、
「錠剤を砕いた時の吸収などに関して検討したデータがないのでおすすめできません。」
とありますね・・。
ってか、このビリアード錠と緊急輸入された青色のテノゼットの刻印が全く一緒で同じ薬じゃねえか!

さてさて、結局、粉砕のことは、メーカーに直接聞いてみよう・・。
きっと同じような質問は多いはず・・。

メーカーの方の話しでは、
粉砕後8週間は試験しており、8週間以内であれば問題ないとのこと。
なので、分包して服用の前に分割したり噛み砕くのももちろんOK。

保存条件は確認しませんでしたが、湿気や日光は避けて保管した方がいいですね。


テノゼット(テノホビル)の特徴は?
バラクルードとの違いは?

テノゼットは、HBV複製過程で逆転写酵素を特異的に阻害し、増殖を抑制する核酸アナログ製剤として、
ゼフィックス(ラミブジン)、ヘプセラ(アデホビル)、バラクルード(エンテカビル)に次ぐ4剤目。
現在では、バラクルードかテノゼットが核酸アナログ製剤では第一選択薬。

核酸アナログ製剤は、短期間での再燃率が高いため長期継続投与が必要となる。
そこで、問題となるのが薬剤耐性株の出現。
テノゼットは、6年間投与で耐性変異の出現は認めなかったと報告されている。
バラクルードでは、3年で約1%に耐性変異が出現とのこと。

妊娠中の投与に関しては、FDA(アメリカ食品医薬品局)薬剤胎児危険度分類基準において、バラクルードは危険性を否定することができないとされるカテゴリーCであるが、テノゼットはヒトにおける胎児への危険性の証拠はないとされるカテゴリーB。
今のところ、テノゼットの方が安全とされてるようです。

効果は、テノゼットとバラクルードはほぼ同等。
用法は、バラクルードで空腹時の縛りがあるが、テノゼットでは1日1回と縛りなく楽。

ラミブジンとアデホビル両剤への耐性ウイルス、またはエンテカビル耐性ウイルスに対する治療として、ゼフィックス・テノゼット併用、またはバラクルード・テノゼット併用が推奨される。
テノゼットとヘプセラが似てるらしく、この2剤の併用はおそらくないと思う。

何とか今日中に書けた・・w

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