フィブラストスプレー1瓶で何噴霧可能?1回に5噴霧も必要?

84歳男性、皮膚科。

Rp1 フィブラストスプレー250 1瓶
    1日1回 仙骨
 

「これ1本で何回スプレーできるの?」

ー患者さんの状態ー
仙骨辺りの褥瘡。
足がだいぶ弱っており、ほぼ座った状態で生活している。
食事は摂れており、栄養状態は特別悪くはない。
フィブラストスプレーを使用後ドレッシング材を貼るよう先生から指示を受けてる様。

目薬は1本何滴?はよく聞かれますが、
フィブラストは初めて・・。正確にはわからない・・。
この時は、

「このフィブラストスプレーは小さい方ですが、1日5噴霧使って1週間分あるそうなので、最低35噴霧は入ってると思います。」

と返答。


正確には?

添付文書に5噴霧がトラフェルミンとして30μgと書いてあるので、1噴霧が6μgですね。
ということは、250μgだと41.67噴霧分入ってる計算になります。
実際にやったわけではないのでわかりませんが・・。


んで、この話には続きがあります。


「先生から1回に2、3噴霧すればいいって言われたので、5回もスプレーしなくていいですよね?」

5cm離して5回噴霧、30秒以上経ってからドレッシング材と散々説明した後にこの質問・・。
 隣の病院の皮膚科の出張医によっては2、3回噴霧すればいいと指示されてるみたい。

「はい、先生から指示があったら、その指示を優先してください。」

と返答。


ってか、2、3噴霧で効果あるの??

インタビューフォームのデータによれば、

フィブラスト
いずれも対照群と比較して創傷面積、褥瘡面積、熱傷面積が縮小したと結果が出てるので、1μg/cmあれば効果が認められているんですね。
それを踏まえて、用法を見ると、
直径6cm以内の潰瘍に5噴霧。
1噴霧6μgなので5噴霧でトラフェルミン30μg
直径6cmの面積は3×3×3.14cm28.26cm
30μg÷28.26cm1μg/cm
1μg/cmより薄いデータが↑のグラフにはないので、効果あるのかないのかは?
なので、直径6cmぐらいあるなら5噴霧した方がよさそうですね。

でも、これが例えば、
直径2cmの潰瘍の場合5噴霧で計算すると・・、
1×1×3.14=3.14cm
30μg÷3.14cm10μg/cm
2噴霧で計算すると、
12μg÷3.14cm3.8μg/cm
これぐらいの大きさなら2、3噴霧で十分そう。
ただ、残念ながら直径2cmの潰瘍に噴霧した分すべて乗っかるわけではない・・。
『噴霧口の先端を潰瘍面より約5cmの距離から噴霧するとき、直径約6cmの円形状に薬剤が噴霧されるように設計されている。
潰瘍面の大きさにより投与距離を加減しないこと。』
とな。
それでもまぁ、皮膚科の先生が臨床での経験や潰瘍の大きさを見て指示しているのであれば問題なさそうですね。
ただし、溶解後は10℃以下の冷暗所に保存し、2週間以内に使用すること。
ですね。

計算ばかりでわかりづらいですね・・。

興味があれば ブログ一覧 もご覧ください。