潰瘍性大腸炎のバリウム菌除菌(ATM療法)の処方が隣の病院から出た!
今回のブログは2014年1月に書いたものを移してますが、結局この処方はその後1回も出ず・・。
今後処方されたときに役に立つだろうと思って書いたのですがね・・。
他の病院では出てるんですかね??
64歳女性、消化器科。
Rp1 アクロマイシンV(250) 6C
サワシリンカプセル(250)6C
フラジール(250) 3T
1日3回毎食後 14TD
私 「ぬっ、これはバリウム菌除菌だね!」
周りの反応は薄かったです。
私はたまたま調べたことありましたが、薬局長ですら知らない風でした。
ー患者さんの状態ー
今はアサコール(400)9T、ステロネマ注腸継続中。
少し前に顆粒球吸着療法(GCAP)10回終わり、その後レミケード点滴している。
これでもCRP高値で下血続いている。
んで、大腸の粘膜よりバリウム菌感染が認められたので、除菌を試みるとのこと。
一度調べたと言っても、
『胃潰瘍にはピロリ菌、潰瘍性大腸炎にはバリウム菌』
ぐらいなレベルなのでもう少し詳しく調べてまとめておきます。
潰瘍性大腸炎の原因は?
未だにはっきりとわかっていません。
ただ、自己免疫疾患であろうと言われており、治療薬としては、ステロイド、免疫抑制剤、5-ASAなど使われてきました。
しかし、
「いやいや、原因はバリウム菌かも!」
という、ビックリな研究が!!
潰瘍性大腸炎患者を調べたところ、健常人や他の腸疾患と比べて、フソバクテリウムバリウムの腸粘膜への接着と、粘液と潰瘍粘膜への侵入が多いこと、血液中にフソバクテリウムバリウムに対する抗体検出率と抗体量が多いことがわかりました。
また、腸内細菌として、病原性がないと考えられていたフソバクテリウムバリウムですが、産生された酪酸がベロ細胞に対し毒性があると判明しました。
なので、このフソバクテリウムバリウムの除菌が潰瘍性大腸炎の治療になるというわけです。
これを発見した順天堂医院では、除菌を目的として抗生剤多剤併用療法(ATM療法)が行われ、有効率は8割という高い効果を得ているそうです。
ただ、ATM療法(アモキシシリン、テトラサイクリン、メトロニダゾール)では発熱の副作用が多く、原因はテトラサイクリンにあると・・。
抗菌活性が同等であり、発熱の副作用の少ないホスホマイシンに切り替えたAFM療法の治療効果を検討しているようです。
と調べてみたものの、どれも数年前の話しで・・・、
最近はどうなってるんだい??
それから、保険適応ではないのでもちろん自費です。
うちの薬局では、
5370円になりました。
これ以外にも病院代がかかります。
現在の調剤報酬だと、うちの薬局は基準加算と後発体制加算とってないので、5230円になります。
残念ながら、この方数日服用し薬疹が出たので中止となりました。
先程ちらっと順天堂医院のHPを見てみると・・、
2014年6月より抗生剤療法(ATMかAFM療法)と糞便移植療法の併用療法を臨床研究としてスタートしました。
とな。
糞便移植に興味のある方はぜひ順天堂医院のHPをご覧ください。