タケキャブを含むピロリ菌除菌パックのボノサップの特徴と従来品比較。

つい最近、タケキャブが発売から1年経ち日数制限が解除になったばかりですが、もうタケキャブを含むピロリ菌の除菌用パックが出るらしいですよ。

一次除菌用のパックは、ランサップラベキュアに続き3製剤目。

ボノサップ・ボノピオン

ボノサップパック400と800登場。

サップパックって・・・、言いにくいね。
ランサップにはパックってついてなかったのに・・。

まだ製造販売承認の段階なので、実際に発売されるのは数ヶ月後でしょうか・・。

6月7日に発売となりましたね。
薬価は、
ボノサップパック400:1シート 733.80円
ボノサップパック800:1シート 884.00円
ついでに、
ボノピオンパック:1シート 654.60円

ちなみに、
ランサップ400:1シート 602.2円
ランサップ800:1シート 774.1円
ランピオン:1シート 471.7円
ラベキュアパック400:1シート 502.4円
ラベキュアパック800:1シート 666.7円
ラベファインパック:1シート 405.9円
なので、値段はちょっと高めですね。(2016年6月8日追記)

その3製剤の違いは、中に入ってる胃酸の分泌を抑える薬。
ランサップにはタケプロン(ランソプラゾール)、
ラベキュアにはパリエット(ラベプラゾール)、
んで、ボノサップにはタケキャブ(ボノプラザン)
ちなみに抗生剤は同じで、アモキシシリンとクラリスロマイシン。

胃酸の分泌を抑えて胃内のPHを上げると抗菌活性が増し、抗生剤の粘液層透過性を高めるので、より強力に胃酸を抑えた方が除菌の成功率が上がるらしいですね。

ってことで、

ボノサップとランサップの除菌率の比較。

薬品名 除菌率 群間差
ボノサップパック400又は800 92.6%
(300/324例)


16.7%
ランサップ400又は800 75.9%
(243/320例)

って結果が、ボノサップの添付文書に載ってましたど・・、

こんなに差が出てしまったらランサップなんてもう使わなくねぇ!?

タケキャブって胃酸を抑える作用がそんなに強力なんでしょうかね?

インタビューフォームに載ってる作用機序からちょっと復習してみましょう。

『従来のPPIのタケプロンは、酸で活性体へ変換され、プロトンポンプとS-S結合することでプロトンポンプを阻害し胃酸分泌を抑制する。
また、酸性環境下では不安定であり、分泌細管に長く留まることができない。
そのため、血中薬物濃度の低下後は、新たに分泌細管の膜上へ移動してきたプロトンポンプを阻害することができないと考えられる。』

いかにも作用が劣るような書き方してますね。

んで、
『タケキャブは、酸による活性化を必要とせず、カリウムイオンに競合的な様式でプロトンポンプを阻害し胃酸分泌を抑制する。
タケキャブは塩基性が強く、また酸性環境下でも安定なため、分泌細管に高濃度に集積し長時間残存する。
この性質により、血中薬物濃度の低下後に、新たに分泌細管の膜上へ移動してきたプロトンポンプも阻害することができるため、速やかで優れた酸分泌抑制作用を示すと考えられる。』

ほうほう、強力そうw
一応、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と呼ばれる新たな作用機序を有する新しいカテゴリーのプロトンポンプ阻害薬なんですね。

まぁ、実際はどちらも強力に胃酸の分泌を抑えるんでしょうけど、
強力に効き始めるまでの時間と持続時間が従来のPPIと違うんだよとインタビューフォームの作用機序から読み取れますねぇ。
従来のPPIは、酸による活性化が必要なので効果発現までの時間がかかりすぎ。
血中濃度が安定し最高レベルまで達するのに3、4日必要らしい。

ん!?

イヤイヤイヤイヤ、3、4日ってもう除菌薬半分終わってますから!!

その点、タケキャブは投与1日目から強力な酸分泌抑制作用を有し、
しかも分泌細管に長時間残ることにより胃内PHを持続的に上昇されます。


さらに、タケキャブは主にCYP3A4で代謝されますけど・・・、
ボノサップの中に、CYP3A4を阻害するクラリスロマイシンが一緒に入ってますねw

ボノサップ併用注意

これじゃ、ボノサップの血中濃度を上昇させちゃうじゃないですか。
これも除菌率UPの秘訣なのか!?w
パックの中に併用注意の薬が存在してるってどうなの??
確信犯??w

除菌後の呼気検査においてもメリットがあるみたいですよ。
従来のPPIには静菌作用があり、呼気検査で偽陰性になる可能性があるので、最低4週間の休薬が必要でしたね。
そのため、検査までの期間はHブロッカーや他の胃薬に変更する場合があったと思います。
インタビューフォームによれば、タケキャブは抗H.Pylori活性及びH.Pyloriウレアーゼ阻害活性は示さない。と。
つまり、タケキャブ自体に静菌作用はなく、タケキャブが原因で偽陰性にはならない。
添付文書にも、従来のPPIでは記載されてたヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意って項目がなくなってますね。
まぁ、実際、昔からあるHブロッカーでさえ偽陰性を起こさない明確なエビデンスがないみたいなので、タケキャブについてもまだまだわからないところがあるかもしれません。
ただ、ボノサップの中のクラリスロマイシンとアモキシシリンには、もちろん静菌作用があるので、ボノサップ服用後は呼気検査実施まで4週間以上あける必要はありますね。

二次除菌用のボノピオンがこれまたすごい。
50例中49例で除菌成功。
何と98%!!
三次除菌まで進む方は減りそうですね。

にしても、ランサップの除菌率は相当落ちてますね。
ランサップに載ってる15年以上も前と思われる結果はこんな感じ。

ランサップ除菌率

90%近くあった除菌率は75%程に・・。
やはりクラリスロマイシンの耐性株が問題なんでしょうね。
その比較も国内第Ⅲ相試験でやってますね。

ボノサップ耐性

タケキャブを使った場合はクラリスロマイシン耐性株でも82%除菌成功ですが、
タケプロンを使った場合は、40%・・。
半分以下に・・。
タケキャブを使えばクラリスロマイシン耐性株も怖くない・・。
ってか、タケキャブとサワシリンだけでいけそうじゃない??w

ついでに、ラベキュアの除菌率はこんな感じ。
ラベキュア除菌率
これは2007年の結果なので今はもう少し落ちてますかね。
参考までに・・。

最後に、タケキャブの粉砕について。
日経DIの2015年5月号に載ってましたね。
光に不安定だが酸に安定で胃酸の影響を受けないので粉砕は大丈夫らしい
ただ、苦味があるのと光を避けて保管する必要がある。

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