バイアスピリン服用中の方へ市販の解熱剤との併用注意は?
68歳男性、循環器科。
Rp1 バイアスピリン(100) 1T
ブラビックス(75) 1T
アダラートCR(40) 1T
パリエット(10) 1T
ブロプレス(8) 1T
クレストール(5) 1T
1日1回朝食後 56日分
「家にある市販のかぜ薬飲んでもいいの?」
ー患者さんの状態ー
かぜを引いたらしく、きのうは熱が38℃まで上がったとのこと。
今日は37℃台に下がっている。
先生に伝えたところ、市販薬を薬局で買って飲んでと言われた様。
半年前に心臓にステント入れており、その後順調で特別問題ない。
血圧もコレステロールも安定しており、目標値は達成されている。
併用薬はない。
苦手なOTCの話・・。
先生!!ちょ、ちょっと解熱剤出してくれませんか!?
と思ったりする・・。
医療費の削減?
それとも管轄外だからなの??
しかも、肝心な家にある市販薬の名前わからないってかい!!
この時は、
「市販の薬の成分を見ないと何とも言えませんが、アセチルサリチル酸を含む薬ですと、今服用中のバイアスピリンと同じ成分で、効きに影響を与える可能性があるので避けた方がいいと思います。」
と返答。
すると隣の薬局長から、
「できれば、イブプロフェンって成分も相性悪いからアセトアミノフェンって成分の方がいいかな。
もし、わからなかったら電話でいいので、家にある薬の名前言ってくれれば教えるから。」
と。
・・・。
そうなの??
アセチルサリチル酸(アスピリン)は、よく言うアスピリンジレンマってヤツ。
簡単に言うと、
低用量のアスピリンでは、血小板凝集を促進するトロンボキサンA2を阻害。
→ 抗血小板作用
高用量のアスピリンでは、血小板凝集を抑制するプロスタサイクリン(PGI2)を阻害。
→ 抗血小板作用低下
短期間だとそんなに問題ないって話もありますが、まぁこれは避けた方がいいですよね。
薬局長が言う、イブプロフェンとアスピリンって・・・??
ほうほう、バイアスピリンの添付文書に書いてますね。
併用注意!!
イブプロフェンは血小板のCOX-1とアスピリンの結合を阻害するため血小板凝集抑制作用を減弱する。
と。
機序の復習は↓こちらへ
抗血小板薬の作用機序の違いをまとめる。エフィエント、プラビックス他。
さらに、プラビックスの添付文書に、
プラビックスは血小板凝集抑制作用を有するため、非ステロイド性消炎鎮痛薬と併用すると消化管出血を助長すると考えられている。
ってことで併用注意になってます。
まぁ、併用注意になってる以上、避けれるものは避けた方がいいですね。
うーん、これぐらいは知っとかなきゃいけないレベルなんですかね、薬局長・・。
知識不足も罪なのね・・。
結局この患者さんから電話きませんでしたが、次回来局時にタイムコールPというイソプロピルアンチピリンとアセトアミノフェンの入った薬を飲んだとのこと・・。
ピリン系かい!!