ナウゼリン坐剤とアンヒバ坐剤どっちを先に使う?理由は?

5歳男の子、小児科。

Rp1 アンヒバ坐剤200 5本
    発熱時 
    38.5℃以上で1回1本

Rp2 ナウゼリン坐剤30 5本
    吐き気時


「熱も吐き気もあるときは同時に使って大丈夫ですか?」

ー患者さんの状態ー
今朝から熱が38.8℃あり2回嘔吐している。
先生からはお腹のかぜと説明あった様。
体重19kg。

隣の病院から坐剤2種類出るパターンは、これとダイアップ+アンヒバぐらいなもので使い方は問題ない。
この時は、

「同時に使うと吐き気止めの効果が弱くなってしまうので、ナウゼリン坐剤を先に使って30分待ってアンヒバ坐剤を使ってください。
そうすると両方とも効果的です。」

と返答・・したものの・・、


何でだっけ??

水溶性と油溶性の関係だったと思うけど詳しくは忘れてしまいました・・。
調べてみましょう。

ナウゼリン坐剤の製造販売元も協和発酵キリンのHPのQ&Aに載ってました。

油脂性基剤の坐薬(アンヒバ)と併用する場合
医師からも特に投与順序の指示が無い場合、基剤の性質から水溶性基剤のナウゼリンを先に投与し、Tmaxである2時間程度間隔をあけた後、油脂性基剤の薬剤(アンヒバ)の投与がよいと考えられる。
その理由は、
本剤の主薬であるドンペリドンは脂溶性であるため相手薬(アンヒバ)の基剤に吸着してしまい、本剤の吸収が阻害される(血中濃度があがらない)可能性があるためである。
尚、油脂性基剤の薬剤(アンヒバ)を先に投与した場合、その基剤が直腸内に残っている限り影響を受ける可能性があるためなるべく長く間隔をあけた方がよい。

ほうほう、そう言う理由だったんですね。

ってかTmaxの2時間あけるってのはビックリ。
最大限効果を発揮するには最高血中濃度まで待つわけね・・。

そんなに待てないよ!!
他の資料では有効血中濃度に達する30分ぐらいでいいとのことです。

坐薬を逆に使ってしまった場合は、もっと間を空けなきゃいけないんですね。
でも、そんなに長い間、腸内に基剤が残ってるのかな??
まぁ逆に使わなくても2時間程度空けろと言ってるので3、4時間は影響があるんでしょうか・・。
実際は多少効果が減弱するとわかってても、症状がひどければ使って様子見たいところ。


ダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤の使い方も同じです。
ダイアップ坐剤使用後30分以上あけてアンヒバ坐剤。
詳しくは↓をご覧ください。
ダイアップ坐剤の使い方。アンヒバとどっちが先?熱性痙攣まとめ。


坐剤の順番の理由を聞かれることはまずないと思いますが、
知っていれば服薬説明の幅が広がりますし、使い方も忘れないかな・・。

今度、他の坐剤の主薬と基剤が油脂性か水溶性かまとめときますね。

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