クレストールなどスタチンによる横紋筋融解症を説明するとき思うこと。
58歳女性、循環器科。
Rp1 ブロプレス(8) 1T
アダラートCR(20) 1T
1日1回朝食後 28TD
Rp2 クレストール(2.5) 1T
1日1回夕食後 28TD
ー患者さんの状態ー
LDLコレステロールが徐々に上がっており、今回から薬物治療開始。
併用薬はない。
新人君の投薬。
「こんにちは、・・・・・・・。
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クレストールの副作用について説明させていただきます。
ホント稀なんですが、横紋筋融解症という副作用を起こすことがあります。
横紋筋融解症とは、筋肉が溶けて壊れてしまう副作用で、起きた時の症状としては、
運動もしてないのに筋肉の痛みが続く。
全身がだるくて手足に力が入らない。
尿の色が濃く赤黒いような色をしている。
などあります。
万一この副作用が起きても、早期に適切な処置を行えば大事に至ることはないので、症状があればすぐに受診してください。」
ここまで、聴き取りと説明はよくできていますね。
ん??
これで説明終わり?
イヤイヤ!患者さんの顔を見てごらん!!
この不安に満ちた、何でこんな恐ろしい薬を飲まなきゃいけないの??
と言わんばかりの表情を・・。
こりゃ、このままだと薬飲まんよ。
この時は横から、
「副作用だけ聞くと、そんな副作用の出る薬は飲みたくないと思われる方も多いんですが、薬を飲まずにコレステロールが高いままの方が、脳梗塞や心筋梗塞などを起こす可能性が上がり、よっぽど危険だと思いますので、薬はちゃんと飲んでいただくようお願いします。」
とフォロー。
ただでさえ、自覚症状のない脂質異常症。
その上、筋肉が溶けてしまう副作用何て言われては・・、飲みたくなくなちゃいますよね。
やっぱり、
コレステロールが高いとどうなる?までセットで説明しないといけません。
ってか、何でスタチン系の薬剤だけこんなしっかりとした横紋筋融解症の説明するんですかね??
各メーカーでそれぞれ資料まであって。
フィブラート系の薬とか、ニューキノロン系の抗生剤とか、抗精神病薬とかも横紋筋融解症でますけどね。
新規で処方されてもそこまで触れることはありません・・。
まぁ、薬情には書いてあるでしょうが・・。
頻度の問題ですかね??
実際、私は赤褐色の尿が出るほどの横紋筋融解症が出た例を聞いたことがない。
軽いミオパチー止まり。