ヘバーデン結節ってどんな病気?治療薬は?別名指まがり症とな。
48歳女性、整形外科。
Rp1 ロキソニン錠(60) 3T
ムコスタ錠(100) 3T
1日3回毎食後 14TD
Rp2 モーラステープ(20) 14枚
1日1回 指
「ヘバーデン結節ってどんな病気ですか?」
ー患者さんの状態ー
右手小指の第一関節に腫れや痛みがある。
知人にリウマチでは?と言われ病院受診。
先生からへバーデン結節と言われたとのこと。
併用薬はない。
ヘバーデン結節・・・??
初耳の病名ですね・・。
いかにも重そうで自己免疫疾患を思わせるような名前。
出てる薬的には、そんなことないんですけど・・。
今回は隣にいた薬局長が、
「そんなに不安に思う病気ではないですよ。
関節リウマチとか免疫関係の病気ではなくて、年齢とか使い過ぎが原因の場合が多いので、無理しないようにしてください。」
と返答。
さすが薬局長!!
病名で重そうとか言ってる自分がクソ。
別名を指まがり症というらしい。
こっちの方がしっくりくる・・。
次回はスッと答えられるように、今日の治療指針で調べておきましょう!
病態は?
手指のDIP(遠位指節間)関節に発症した一種の変形性関節症と考えられている。
DIP(遠位指節間)関節って??要は第一関節ね。
DIP関節背側に硬い小結節を触知する疾病である。
遺伝子の関与などを唱える報告もあるが原因は不明で、40歳以上の女性に好発し、加齢や手指の過度の使用などが成因として考えられている。
症状は?
DIP関節背側の結節、屈曲変形、側方偏位などがある。
要はコブができたり曲がったりズレたり。
急性期には発赤、腫脹、疼痛といった炎症所見を伴う。
慢性期に入り変形が完成すると炎症症状は消失する。
粘液嚢腫(水ぶくれのような出っ張り)を併発することもある。
診断は?
臨床症状と所見から診断は容易である。
X線像でDIP関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の硬化像、骨棘形成など関節症変化があれば確定診断できる。
また難しい表現・・、骨棘って骨のトゲ。
治療法は?
痛みや不安定性を伴わない場合は、治療の対象とはならない。
痛みを訴える症例には、安静を指示するとともに、消炎鎮痛薬を含んだ外用薬を長細く切り、DIP関節に巻き付けるように貼り付ける。
テープ状のものは、テーピングの効果も同時に得られる。
今回の処方では鎮痛剤の内服薬(ロキソニン)も出ましたね。
変形や不安定性の強いものに関節固定術の適応があるが、実際に行われることは稀である。
ヘバーデン結節とはこんな病気です。
最低でも薬局長が言ったことぐらいは答えられないと・・。
まだまだ、聞いたこともない病気が山ほどある。