モルヒネなど強オピオイド(麻薬)の呼吸抑制の見分け方。呼吸回数は?

うちの薬局でも最近ケアマネから在宅の依頼をされることが増えており、緩和ケアの患者さんのところへ行くことも増えてきた今日この頃・・。
麻薬の知識も最大限発揮できるよう、復習がてら以前にあった質問をちょこちょこまとめていきたいと思います。
今回は呼吸抑制について。

56歳男性、内科。

Rp1 パシーフカプセル(30) 1Cap
    1日1回朝食後      7日分

Rp1 オプソ内服液(5)    1包
    疼痛時         20回分

 
「呼吸抑制って、なったらわかります?

ー患者さんの状態ー
手術不能の膵臓癌。
転移もあり徐々にお腹や背中の痛みが強くなってきている。
前回トラマールとロキソニンから今回の強オピオイドに変更。
家族の方受け取り。
併用薬は糖尿病薬、降圧剤他。

この処方医は緩和ケアがメインの先生で、家族の方にしっかり麻薬について説明してくださっています。
ただ、副作用の説明で滅多に起きないと言われた呼吸抑制という言葉が妙に頭に残ったようで、薬局で今回の質問・・。
ちなみにパシーフはモルヒネの徐放性カプセル。
この時は、

「呼吸抑制の前に眠気がひどく出るので、まずは眠気のチェックをお願いします。」

と返答したものの・・。


強オピオイド初めてなので、おそらく最初の数日は眠気出るよね。
この説明では、全く質問の答えにはなっておらず・・。

ってことで、

オピオイドによる呼吸抑制について調べてみましょう。

まず、パシーフの添付文書の重大な副作用には、
呼吸抑制(頻度不明※)があらわれることがあるので、息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
※)本剤の承認時までの臨床試験では認められなかったが、モルヒネ製剤でみられている副作用。
と記載されています。

とまぁ、決して多い副作用ではないですね。

症状として、息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等と書かれてますが・・。
言葉だけ聞いてもなかなかつかめない・・。


おっ!

今日の治療薬にナイスな情報がありますね!!

10回/分未満の呼吸数や不規則呼吸は要注意。

具体的な呼吸の回数がわかれば判断しやすいですね。

呼吸抑制の早期発見には呼吸数もこまめにチェックが必要なようです。
特に、モルヒネ開始時、増量時、腎機能低下のある患者や高齢者への投与時は注意。

ちなみに、Wikipediaによれば、安静時の健康な成人の平均的な呼吸数は、毎分12~20回とのこと。


ただ、呼吸抑制を恐れてばかりではいられないので、こんな表を見つけてきました。
ファーマトリビューンの2011年8月号のオピオイド鎮痛薬のやくりがくの

モルヒネの主な薬理作用発現用量
モルヒネの主な薬理作用発現用量

図が曲がってて申し訳ありません・・。

この表はモルヒネの種々の薬理作用を動物実験における50%有効用量(ED50を用いて比較したもの。
様々な論文を検索して平均値をもとめたそうな。
鎮痛作用のED50とすると行動抑制(眠気)は2.6倍呼吸抑制10.4倍、死亡は357.5倍・・。
鎮痛用量と致死量に大きな差があるので、モルヒネは安全域の広い薬剤でみたいですね。

って調べた後なら、

「呼吸数が1分間に10回未満だったり、呼吸のリズムが不規則だったりすると呼吸抑制の可能性があります。
ただ、腎機能など問題なければ、鎮痛用量よりもかなり多い量を摂取しない限り起こりませんし、その前に眠気がひどく出ると思うので、眠気でのチェックもしてみてください。」

ぐらい返答できるね。

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