ノルスパンテープ貼る部位による効果の違いは?膝や腰でもいい?
72歳男性、整形外科。
Rp1 ノルスパンテープ(10) 2枚
7日毎に貼り替え 1回1枚
Rp2 ロキソニン(60) 1T
疼痛時 10回分
Rp3 モーラステープ(20) 14枚
1日1回 膝
「ノルスパンテープつらい方の膝に貼ってもいい?」
ー患者さんの状態ー
変形性膝関節症の方。
人工関節の手術を勧められているが、本人手術は嫌とのこと。
特に左膝が痛く、効きの良さそうなノルスパンテープを直接左膝に貼りたいとのこと。
ノルスパンテープは2ヶ月前から使っている。
気持ちはわかるけど・・。
ノルスパンテープのことをあまりわかってないようです。
再度説明した方がいいですね。
この時は、
「ノルスパンテープは皮膚から少しずつ血液に入って、脳など中枢に働いて効果が出る薬なので、痛いところに貼っても効き目が上がるってことはありません。
むしろ、膝だと皮膚から血液に入る量が減って、効き目が悪くなる可能性がありますよ。
膝には、処方されてるモーラステープを貼ってください。」
と返答。
さて、実際、添付文書の用法にある
『前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部』
に比べて、膝に貼るとどれぐらい効果が落ちるのか調べてみましょう。
インタビューフォームに上背部と膝蓋骨上部のAUCの比較が載ってますね。
AUC:薬物血中濃度-時間曲線下面積
→体内に入った薬の量を表す。
上背部を対照部位としたときのAUCの比は、
膝蓋骨上部群(29.2%)
であり、膝蓋骨上部群では十分な血中濃度が得られなかった。
・・低っ!
こりゃ、膝に貼ってはもったいない・・。
ちなみに、腰部へ貼付したときの薬物動態は確立されていないとのこと。