ナウゼリン坐剤の量について。ナウゼリン錠より多いのはなぜ?

3歳1ヶ月 男の子、小児科。

Rp1 アドソルビン    1.5g
    ビオスリー配合散  1.5g
    1日3回毎食後     5TD

Rp2 ナウゼリン坐剤(30) 5本
    吐き気時 1回1本


「この前ナウゼリン坐薬の10でしたが今回30って・・、

急にこんなに増えるものですか?」


ー患者さんの状態ー
軽い下痢と、きのうの夜に1度だけ嘔吐あり。
3ヶ月前にも同じような症状あり、そのときはナウゼリン坐剤10が処方になっている。
体重15kg。

ドキっ!!
お母さん鋭い質問!!
3ヶ月しか経ってないのに量が3倍ですからね・・。
この時は、

「この薬は年齢によって量が設定されている薬で、3歳未満では10mg、3歳以上では30mgの使用が目安となっています。
もちろん体重や症状により量が変わることもありますが、3歳15kgあれば30mgの坐剤で問題ないと思います。」


と返答。


まぁ、年齢による量のジャンプアップもそうですしけど、

ナウゼリン錠と比べて、坐剤の量はなぜそんなに多い!?


販売元の協和発酵キリンのHPに答えらしきことが書いてありますね。

 ナウゼリンは経口剤に比べ、坐剤の用量が高めに設定されている理由は?

 『これらの用量は、経口剤と坐剤の双方を対比した厳密な用量試験に基づいて設定された訳ではなく、各々の使用対象となる疾患の消化器症状の程度や性質を考慮して実施された臨床試験の結果に基づいて決められたものである。

小児におけるナウゼリン坐剤の用量は外国での使用実態も参考とされ、3才未満には10mg坐剤を、3才以上の小児には30mg坐剤を投与するオープン試験で経口剤(主としてドライシロップ)と遜色のない有用性を示したことにより、ナウゼリン坐剤10及びナウゼリン坐剤30の妥当性が確認されている。

なお、ナウゼリン坐剤の用量設定に関しては、薬物の吸収動態が経口剤に比べ坐剤では緩徐で持続的(Tmax、T1/2、並びにAUCが高値)であること、及び経口剤の服用困難な症状の強い患者に頓用することが考慮されている。



ほうほう。
それぞれ、試験の対象者の症状なんかが違って、坐剤は経口困難な症状の強い人に頓用することが考慮されている。
小児の用量は海外のデータを参考にしてる。
ここまでは理解できますね。
ただ、坐剤の吸収動態が緩徐で持続的っての関係あるの??
うん、まぁ、ニュアンス的には徐放・・・?
なので、頓服で1回分のみって考えれば、関係あるのかなぁーとなりそうですけど、一応、小児は坐剤も1日3回まで使えますからね。
・・・。
ここは、あまり深く考えないことにしようw

ってか坐剤の方が効きはじめは遅いのね・・。
Tmaxは錠剤約1hr、坐剤約2hr


Cmaxはどんなもんかな??

ナウゼリン坐剤60
  Cmax:43.3ng/mL
ナウゼリン坐剤30
  Cmax:23.4ng/mL

ナウゼリン錠10
  Cmax:12.6ng/mL

すべて成人への投与ですが、そりゃ量が違うので↑こうなりますよね。
全然効き方違うじゃないですか~!?
対象者が違うだけあって、同じ薬と考えない方がいいのかな??
そもそも、内服に関しては、15kgの子供が大人と同じ1日30mg飲むの可能ですからね。
大人のナウゼリン錠の量が少なすぎじゃないw

ただ副作用に関してはどちらも多くはないです。
小児には坐剤も錠剤も1%未満で主に下痢。

何かモヤっとしますが、最低限、
試験の対象者の症状なんかが違って、坐剤は経口困難な症状の強い人に頓用することが考慮されているから量が違うんだ!
は覚えておくことにします。


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