眼科受診の患者さんからの困った質問。チモプトールXEは朝がいい?他。

まだ新しいブログ書けてないので、今回も結局はまた前に書いたブログ・・。
眼科を受診された患者さんからのハッ!とする質問について。
単に勉強不足なんでしょうが私はよくハッ!としてしまいます。
なので、ちとまとめときます。


Q 白内障の手術がありますが、今使ってる緑内障の目薬はそのまま使っていいですか?

むしろ使わなきゃダメでしょ!と思いきや、プロスタグランジン製剤(キサラタン他)を白内障術後早期に開始すると黄斑浮腫が起こりやすいかもしれないとのこと。
プロスタグランジン製剤の添付文書の慎重投与に『無水晶体眼又は眼内レンズ挿入眼の患者[嚢胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫、及びそれに伴う視力低下を起こすおそれがある。]』と記載されてますね。
それに、白内障の手術後に眼圧が下がることがあるらしい・・。
結局、継続することも多いと思いますが、手術後の使用については先生に確認するよう説明した方がいいんじゃないでしょうか。


Q 白内障の手術がありますが、ワーファリンは継続していいですか?

最終的には先生に判断でしょうけど、今は基本的にワーファリンは止めないですね。
止めて心原性の脳梗塞などリスクが高い・・。
もちろんワーファリン飲んでることは必ず先生に報告してもらいましょう。


Q 白内障の手術ありますが、今飲んでる薬は影響ないですか?

特に泌尿器科にかかってる男性の方は注意ですね。
ダメというわけではないですがα1ブロッカーを服用してると白内障の手術中に術中虹彩緊張低下症候群という合併症が起きることあります。
虹彩がフニャっとなって手術が難しくなるそうです。
ハルナール、ユリーフ、フリバス、忘れがちエブランチルもそうですね。
添付文書の使用上の注意に『α1遮断薬を服用中又は過去に服用経験のある患者において、α1遮断作用によると考えられる術中虹彩緊張低下症候群(Intraoperative Floppy Iris Syndrome)があらわれるとの報告がある。』と記載されてます。
先生に併用薬は伝えましょう。
薬剤師がお薬手帳に印をつけれたらいいですね。


Q チモプトールXEは朝じゃなきゃダメですか?

チモプトールXE(リズモンTG)もミケランLAも添付文書には朝の記載はないです。
ただ、眼房水は交感神経の刺激を受け産生するので、交感神経優位の朝に使うと効果的とのことです。
副交感神経優位の寝てるときは眼房水の産生は低下しています。


Q キサラタンは寝る前じゃなきゃダメですか?

他の1日1回のプロスタグランジン製剤の添付文書にも夜の記載はないです。
ただ、プロスタグランジン製剤はつけると充血やかすみ目が多いのでそれを夜に済ましてしまおうということらしいです。
別に寝る前ではなく入浴前に使うと目の周りの色素沈着も防げると思います。


Q 正常眼圧緑内障ですが、なぜ眼圧を下げる目薬が必要ですか?

正常眼圧緑内障の場合、眼圧を30%下げると約8割の方に進行抑制の効果がみられます。
詳しくは、『正常眼圧緑内障でキサラタンなど眼圧下げる目薬はなぜ必要? 』をご覧ください。


Q コンタクトレンズつけたまま点眼してもいいですか?

これよくある質問ですがけっこう困りますよね。
防腐剤として使われているベンザルコニウムがコンタクトレンズに吸着して角膜上皮に障害をおこす可能性があるのでどんなコンタクトレンズでも使わない説と。
いやいや、ハードコンタクトや1日か2週間使い捨てソフトコンタクトならベンザルコニウムを含む点眼液であっても、使用頻度が過度でなければほとんどの場合臨床上問題ない。
むしろ、わざわざその都度外して点眼して感染症を起こすリスクの方が高いという説。
いやいや、ハードコンタクトも吸着しちゃうタイプあるし・・という説など。
うーん、とりあえず、急性の目の疾患のときはコンタクト自体つけちゃダメということで・・。


最近は加齢黄斑変性症について聞かれることが増えてますね。
しっかり、勉強しておかねば・・。

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