併用禁忌になったワーファリンとフロリードゲルが処方になったよ。

70歳女性、消化器科。

Rp1 フロリードゲル2%  10g
    1日4回毎食後、寝る前 7日分


私 「ん?この組み合わせOK?

ー患者さんの状態ー
最近、食事がのどに引っかかる感じがあり、胃カメラしたところ食道カンジダの診断。
併用薬はワーファリン、メインテート、ブロプレス、アマリール、ネシーナ他。

フロリード(ミコナゾール)と言えば併用禁忌が多い代表と言っていいほど注意しなきゃいけない薬。
処方の数自体はうちの薬局ではそんなに多くないので、処方されるたび添付文書を確認しちゃう感じ・・。
主にCYP3A4で代謝される薬はとりあえずチェック!!

今回は添付文書見る前に、周りの薬剤師にワーファリンとフロリードって・・・と確認してみたりして。

後輩薬剤師 「この前、ワーファリンって併用注意から併用禁忌になりましたよね。」

私 「えっ!そうだっけ??」
 ・
 ・
PMDAから最新の添付文書を確認。
 ・
 ・
私 「ああ、ホントだ。」


うわっ!

こんなドデカい改訂が抜け落ちてた・・。
がっくし。
もっと情報を共有しないといけない!!

って訳で、ワーファリンとフロリードの併用禁忌についておさらいしときます。

フロリードゲルが発売した1993年以降、報告されたワーファリンとの重篤な薬物相互作用症例は計115例あって、多い事象としては、INR増加94例(INRが10以上55例)、皮下出血42例、血尿19例、貧血14例、口腔内出血12例、血腫9例、消化管出血8例となっております。
その中に死亡例はありませんが、イギリスでは相互作用の可能性がある出血性イベントによる死亡が3例報告されているとか。

ってか、ワーファリンの代謝って主にCYP2C9だよね。
フロリードと言えばCYP3A4の阻害が有名だけど、2C9も阻害するわけ??

どれどれ、うんうん。

インタビューフォームに、

チトクロームP-450(3A、2C9)と親和性を有し、これらで代謝される薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。

って書いてるね。
これで納得。

ついでに、フロリードゲルと禁忌の薬剤をあげときましょう。

ワーファリン(ワルファリンカリウム)
オーラップ(ピモジド)
硫酸キニジン(キニジン)
ハルシオン(トリアゾラム)
リポバス(シンバスタチン)
カルブロック/レザルタス(アゼルニジピン)
バイミカード(ニソルジピン)
ロナセン(ブロナンセリン)
クリアミン(エルゴタミン酒石酸塩)
ジヒデルゴット(ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩)
イグザレルト(リバーロキサバン)
スンベプラ(アスナプレビル)

今回は疑義照会してファンギゾンシロップに変更となりましたが、変更の際の同種同効薬の一覧が厚生省からのお達しの資料に載ってるようです。
フロリードを切り替える際の注意点

あまり処方されないからいいや・・ってのが怖いですね。
では、今回はこの辺で。
閉じる前に下方のブログランキングのクリックをお願いいたします。

興味があれば ブログ一覧 もご覧ください。