マドパー(レボドパ+ベンセラジド)とビタミンB6の併用は問題ない?
皆さんお久しぶりです。
ちょっと前に別の仕事を頼まれまして、ブログを1回飛ばしたらその後全くやる気が出ず・・。
5回分ぐらいキャンセルしましたかね。
サボり癖が半端じゃないw
今日からまたがんばろうと思います。
73歳女性、整形外科。
Rp1 ユベラ(50) 4錠
ピドキサール(20) 2錠
1日2回朝夕食後 14日分
Rp2 モーラスパップ(60) 28枚
1日2回 腰:1回1枚
私 「おっ!これ疑義照会かけます?」
ー患者さんの状態ー
症状は投薬後に確認しましたが、今回整形外科は初めてで、足の先の冷えやしびれ、軽い腰痛があって受診したとのこと。
以前から神経内科にかかっており、併用薬はマドパー他。
ピドキサールを整形外科から出すのは隣の病院でこの先生しかいないんですが、この使い方は独特なんですかね??
一応、効能効果では、ビタミンB6の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合の末梢神経炎って適応があるのでこれ目的なんでしょうか?w
処方への突っ込みは止めておいて・・、今回はこの患者さんがパーキンソンでマドパーを服用中ってことが問題な訳で・・。
レボドパにビタミンB6で作用が減弱って習いましたよね??
ってことで薬局長に疑義照会すべきか確認してみました。
薬局長の返答は、
「疑義照会いらないよ。このままでOK。」
と。
えっ!?そう??
申し訳ないですけど、今回の整形外科で出たピドキサール(ビタミンB6)がそんなに必要なものとも思えないんですけど!!
それよりも、マドパーの効きを減弱させないよう疑義照会し、できれば止めてもらった方がいいのではないでしょうか??
まず、レボドパとビタミンB6、カルビドパ、ベンセラジドの作用機序を確認してみましょう。
大学の時の教科書を見ると・・、
『レボドパからドパミンへ代謝させる脱炭酸酵素ドパデカルボキシラーゼはピドキサールリン酸を補酵素とする酵素であるため、ビタミンB6投与により末梢でのレボドパからドパミンへの代謝が促進され、中枢へのレボドパの移行量が減少し効果が減弱する。』
と。
そうそう、末梢でドパミンになっちゃうと血液脳関門を通過しないので効果なし。
血液脳関門を通過できるレボドパのまま中枢へ届けてそこでドパミンに代謝されて効果発現ね。
それ助けてくれるのが、カルビドパ、ベンセラジド。
こいつらは逆に末梢でレボドパが代謝されないように、脱炭酸酵素を阻害してくれる。
ついでに、教科書には、ビタミンB6が多く含まれてる食材(エンドウ豆、アボカド、マグロ、サツマイモ、豚肉、牛の肝臓など)を大量に食べないよう指導すると書いてますね。
やっぱり、ピドキサール飲まない方がよくない??
マドパーの添付文書見てみよう。
・・・。
あれ?
レボドパ単独のドパストンの併用注意にはピリドキシンが記載されてるけど、レボドパ+ベンセラジドのマドパーの併用注意にはピリドキシンの記載がない!!
ついでに、レボドパ+カルビドパのメネシット、ネオドパストンの併用注意にも記載なし。
なんで??
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第一三共のHPのレボドパ製剤のQ&Aに回答がありました。
ピリドキシン(ビタミンB6)は、末梢でレボドパの脱炭酸酵素活性を亢進するため、レボドパの分解が亢進され、レボドパの血中濃度を低下させると言われています。
脱炭酸酵素阻害剤が配合されているレボドパ合剤では、このような現象は発生しないと言われています。
へぇー。
脱炭酸酵素阻害剤が入ってればビタミンB6の影響受けないんだ。
今回も薬局長に完敗でしたねw
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