エフピー単独ってあり?保険適応だと医師に怒られた!公知申請って何?
55歳男性、神経内科。
Rp1 エフピーOD(2.5) 1T
1日1回朝食後 7TD
「エフピー単独?これってダメじゃないですか?」
新人薬剤師君がそう言いました。
私 「そうそう。よく勉強してるね。
でもきっと、マドパーとかレボドパ製剤飲んでると思うよ。」
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新人君 「何も飲んでないそうです。」
神経内科受診すら初めてとのこと。
私 「えっ!それは疑義照会だね。」
隣の病院との取り決めで、疑義照会した内容を残すためFAXでやり取りすることになっています。
『エフピー単独で処方になっていますが、適応上レボドパ含有製剤との併用が義務付けられています。ご確認お願いします。』
とFAX。
どんな返事が来るか予想してみたり・・。
医師からの返答は、
「公知申請で承認されていますので、そのまま出してください。もっと勉強してください。」
と怒られました・・。
そっ、そうなの??
まず、何でエフピー単独??
添付文書には、
本剤は、レボドパ含有製剤と併用する。
レボドパ含有製剤非併用患者に対する本剤の単独投与による有効性は確立していない。
とある。
しかし、パーキンソン病治療ガイドラインには、
エフピー(セレギリン)は単独で未治療の初期パーキンソン病患者に対し改善効果が認められており、レボドパ製剤の使用開始を遅らせる可能性がある。
と書いてある。
今回もそういう理由なのね・・。
んで、公知申請って何?
適応外使用について、科学的根拠があり、信頼できるデータで医学薬学上公知と証明されるなら、治験を行わなくてもそのデータをもとに適応拡大が承認される制度。(Credentials No.58 公知申請 参照)
その確認方法は、医薬品医療機器総合機構の
保険適用される公知申請品目に関する情報について
に一覧が載っています。
でも・・、
エフピー載ってない??
・・・
医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱いについて
こっちに載ってますね。
こっちは、診療報酬請求に関する審査の情報です。
これによれば、
『原則として、セレギリン塩酸塩(内服薬)を「L-dopa製剤の併用がないパーキンソン病」に対して処方した場合、当該使用事例を審査上認める。』
となってます。
これって公知申請??
公知申請って薬事承認上は適応外であっても保険適応にはなる期間が約半年あって、その後添付文書の改訂が行われます。
これ数年前の話しなので、添付文書改訂されてないってことは公知申請ではないよね。
その辺の違いはよくわかりません・・。
でも、エフピー単独でも保険は通るのね。
ここまで覚えなくてはいけないのかぁ~・・。
後輩に「よく勉強してるね」と言ったことが恥ずかしいw
にしても、適応外で保険が通る処方って結構あるんですね。
まぁ、実際、調剤薬局だと適応症か適応外かの判断すら難しい。
患者さんの話しと血液検査のデータだけではちょっと・・。
明らかにピロリ菌の3次除菌でしょっ!!ってな処方では疑義照会をかけますけど、今回のように保険は通るパターンもあるんですね。
ただ、添付文書にない使い方について疑義照会かけるのは当然のことで、これについてもっと勉強してくださいは言い過ぎじゃない!?
2015年12月に「Yahr重症度ステージI~III」において単剤投与が追加となっております。