AD治療薬の特徴まとめ。レミニール、イクセロン、メマリー。
レミニール(ガランタミン)
作用機序は、
『AChE阻害+ニコチン性ACh受容体に対するアロステリック増強作用。』
どういうことかと言うと、
ACh受容体のACh結合部位とは異なる部位(アロステリック部位)
に結合して受容体の感受性を亢進させます。
んで?
これによってアセチルコリンだけでなく、ノルエピネフリン、セロトニン、グルタミン酸、GABAなどの神経伝達物質も放出が促進します。
いやいや、覚えられん・・。
結局その効果は?
期待されてるのは、妄想や暴力行為、徘徊、意欲低下、抑うつなど周辺症状への有効性です。
なるほど。
副作用は、国内治験でアリセプトよりやや多め。
う~ん、隣の病院では先生方一発目でチョイスしてるイメージはないですね・・。
1日2回ですし・・。
ただ、怒りっぽい人にはいいみたいですね。
リバスタッチ・イクセロン(リバスチグミン)
作用機序は、
『AChE+ブチリルコリンエスラーゼをダブルで阻害。』
ですが、堂々と書かれてるこのブチリルコリンエステラーゼ、臨床的な意義が不明な部分も多い・・。
よくわかってないらしい・・。
ただ、最大の特徴はパッチ剤であること。
急激な血中濃度の上昇がなく、中枢神経におけるACh濃度の急激な上昇に関連する副作用(嘔気、嘔吐)が、海外で使われている経口剤に比べ1/3程度しかないようです。
他のメリットとしては嚥下困難や服薬拒否の方に使え、目で見て服薬がチェックできる点。
ただ、皮膚のかぶれもあるし、一包化調剤で薬を管理されている方にとって貼る何て作業は面倒臭い以外何者でもない!
実際隣の病院で出て維持量まで到達する方は3割にも満たないかも・・。
2015年8月に用法追加になりましたね。
通常は4.5mg→9mg→13.5mg→18mgと4週間毎に増量でしたが、
『患者の状態に応じて、1日1回9mgを開始用量とし、原則として4週後に18mgに増量することもできる。』
とな。
こうなったら、通常の漸増は誰もやらなくない??
これで維持量到達は増えそうw
メマリー(メマンチン)
作用機序は、
『NMDA受容体を部分的に抑制し、グルタミン酸の過剰な刺激を阻害して記憶や学習の改善や神経細胞保護に関連すると考えられている。』
この薬も認知機能障害だけでなく周辺症状への有効性に期待。
臨床試験では、徘徊や暴言、不穏などに対する効果が認められているようです。
副作用は、めまいや便秘、体重減少、頭痛など。
ちなみに他のAChE阻害剤との併用も可。
ただ、思うに併用するってことは認知症それなりに高度じゃないの?
高度ってことはアリセプトとの併用が多くなりそう??
「AChE阻害剤同士の併用ってどう??」
これは添付文書にはっきりダメと記載されてますね。
どうやら心伝導障害などの重篤な副作用の発生を防ぐためみたいです。
最後に、 今後のアルツハイマー型認知症治療剤について。
アルツハイマーの症状出現の10年以上前から脳でアミロイドβ蛋白の凝集が始まっているそうです。
なのでその脳内アミロイドβの除去を狙ったdisease-modifying therapy(DMT)の開発が進められています。
しかし、臨床試験で思うような結果は出ていません。
そのためアルツハイマー神経原線維変化の構成成分であるタウを標的とした治療法の臨床治験も促進されているようです。
へぇ~。
アルツハイマー型認知症治療薬の特徴まとめ。アリセプト。
もご覧ください。