レグテクトってアルコール依存症薬がトップシェアに。シアナマイドとの違いは?
ミクスOnlineを見ていたところ、こんな記事が載ってました。
アルコール依存症用薬レグテクト 処方患者数シェアでトップ、3月以降は過半数で使用 JMIRIまとめ
まぁ、この記事の内容としては、今までアルコール依存症治療薬ではシアナマイドがシェアでトップでしたが、2015年末ごろからレグテクトが抜け出し、直近16年4月にはレグテクトのシェアは54%、シアナマイドが37%で17ポイントの差がついたってな内容。
あぁ、そういえば、レグテクトについてどんな薬かってのを以前ブログ書いたっけな・・。
薬局あるある。リニュアル後なかなか公開するチャンスがなかったので、お蔵入りとなっていた記事。
これは、チャンス!!
ここぞとばかりに手直しして公開に踏み切ってみる・・。
新薬についてはそれなりに情報収集しているつもりでしたが、発売後半年以上名前すら知らなかった薬・・、
レグテクト(アカンプロサート)
という、アルコール依存症断酒補助剤。
しかも、新人薬剤師君に教えてもらったという情けなさ・・。
皆さんこの薬・・知ってましたかー!?
Rp1 シアナマイド内用液1% 7mg
1日1回朝食後 7TD
「何でレグテクトを使わないんですかね?」
と新人君がボソっと。
何その薬??
と思いつつ、
私 「・・・。」
無視!!
一包化の監査に集中集中・・。
悔しいので調べてまとめときましょう。
レグテクトってどんな薬?
『中枢神経系に作用し、アルコール依存で亢進したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで、アルコール依存症患者の飲酒欲求を抑制すると考えられている。』
要は、アルコール依存症患者の「飲みたい!」という欲求を抑えることができるとな。
シアナマイドなど今までの薬は、
『肝臓中のアルデヒド脱水素酵素を阻害することにより、体内にアセトアルデヒドを蓄積させ、宿酔の不快な症状を起こすものと考えられている。』
こちらは、少量のお酒で悪酔いして、嫌なイメージを刻み込む感じの薬ですね。
レグテクトの効果は?
国内第3相プラセボ対照二重盲検比較試験の結果
断酒意志があり、心理社会的治療を併用するアルコール依存症患者(327例)を対象として、本剤666mgを1日3回又はプラセボを24週間食後に経口投与した。その後、24週間の追跡観察期間を設けた。
・・・。
これ飲んでも飲まなくてもあんまり変わらなくねぇ??
まぁ優越性が示されたんですね・・。
ただ、この薬6ヵ月の処方継続率が50%以下と低く、新薬って期待値で飛びついた患者の脱落があったとも考えられそうとのこと。
うーん、やっぱり期待通りには効かなかった??w
完全断酒率ではないので比較できるものではないですが、 シアナマイドは、
『慢性アルコール中毒患者及び過飲酒者等に節酒あるいは断酒を目的として治療を行った結果、有効率は76.2%(903例/1185例)であった。』そうです。
ちなみに、シアナマイドの処方継続率は60%程度。
最後に注意点をいくつか。
効能・効果は、
アルコール依存症患者における断酒維持の補助
効能・効果に関連する使用上の注意は、
1.アルコール依存症の診断は、国際疾病分類等の適切な診断基準(*)に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ使用すること。
2.心理社会的治療と併用すること。
3.断酒の意志がある患者にのみ使用すること。
4.離脱症状がみられる患者では、離脱症状に対する治療を終了してから使用すること。[本剤は離脱症状の治療剤ではない。]
*国際疾病分類による診断基準6項目(過去1年以内に、3項目以上該当した場合、アルコール依存症と診断)
1.飲酒したいという強烈な欲求、強迫感
2.節酒のの不能(抑制喪失)
3.離脱症状
4.耐性の増大
5.飲酒や、それからの回復に1日の大部分の時間を消費してしまう
飲酒以外の娯楽を無視(飲酒中心の生活)
6.精神的、身体的問題が悪化しているにも関わらず、断酒しない
用法は、1日3回食後。
空腹時に投与すると、食後投与と比較して血中濃度が上昇するおそれがある。
主な副作用は、下痢。
国内臨床試験で14.1%あった。
てな感じの薬でした。
最後に下方のブログランキングのクリックをお願いいたします。