掌蹠膿疱症って何?ビオチンやビオスリー、ミヤBMが出る理由。

65歳女性、皮膚科。

Rp1 ビオチン散0.2%    6g
    ビオスリー配合散     3g
    1日3回毎食後     56TD

Rp2 マイザー軟膏0.05% 75g
    1日2回 手・足


「ビオスリーは何の目的で出てるの?」

ー患者さんの状態ー
掌蹠膿疱症と診断され受診している患者さん。
1年前から同じ処方で、ビオチンが処方になってる理由は覚えてるが、ビオスリーが何で出てるのか忘れたとのこと。
症状は掌や足の裏の皮膚の症状だけで関節炎等はない。
1年前に比べ症状はかなり良くなっている様。
併用薬はない。

ビオスリーは、整腸剤として出てるよね??
詳しくはちょっと・・??
この時は、

「ビオチンは主に腸内細菌によって作られるため、その手助けとして整腸剤のビオスリーが処方されていると思います。」

と返答・・。


でいいのかな??

そもそも、掌蹠膿疱症って?

手掌・足蹠に無菌性小膿疱を形成する皮膚疾患。
原因は、扁桃炎、歯周病などの遠隔臓器の慢性炎症性疾患や金属アレルギーなどが関与しているといわれている。
その他、ビオチンの不足も原因の一つと考えられているが、はっきりとした原因は不明・・。

なので、今回のビオチンはその不足を補うための処方な訳ですね。


じゃあ、何でビオチン不足になるの?

ビオチンは食事からの摂取と、腸内細菌によって合成されて分があって、
ビオチン散の添付文書には、
『ビオチンは主として腸内細菌によって合成されるため、食餌性のビオチン欠乏症の自然発生はないと思われる』
と書かれております。
つまり、多少食事が偏っても腸内細菌が合成するので、それだけでビオチンが欠乏することはない。

やっぱりビオチンを合成する腸内細菌に問題がありそう・・。

100以上ある腸内細菌の中にはビオチンを餌にするものがおり、いろいろな要因で腸内細菌のバランスが崩れたときに、ビオチンが餌とされ欠乏が起きてしまいます。


で・・、ビオスリーは何のため?

やっぱり目的としては整腸剤な訳で・・。
ビオスリーに含まれる酪酸菌はビオチンと相性がよく、ビオチンを餌にする腸内細菌を抑える働きがあり、腸内細菌叢の正常化を図ります。
ただ、ビオスリーの服用によって増えたビフィズス菌の中には、ビオチンを餌にする菌が含まれている可能性があるそうです・・。
なので、まぁ、酪酸菌単独のミヤBMが処方されることもあるようです。
隣の病院では採用してないですけど・・。

ちなみに、ビオチン+ビオフェルミンで治療してる方もいますが、この組み合わせは、酪酸菌入ってないし、ビオチンを餌にするビフィズス菌が増える可能性あるし・・。
あまり良くないみたい。
整腸剤なら何でもいいわけじゃないんですね!
次回教えてあげよう。
ついでに、タバコやお酒の分解にビオチンがたくさん使われていることも・・。

興味があれば ブログ一覧 もご覧ください。