ルーランからリスパダールに?抗精神病薬の強さ比較。等価換算表。
34歳男性、精神神経科。
Rp1 リスパダールOD(1) 2T
1日2回朝食後、寝る前 14TD
Rp2 マイスリー(10) 1T
サイレース(2) 1T
コントミン(25) 2T
1日1回寝る前 14TD
今回から、
ルーラン(4)3T/3×n→リスパダールに変更。
私の心の中では、
「この変更って増量?減量?微妙~っ!」
ー患者さんの状態ー
この方、ほとんど話しをせず、質問しても返事が返って来ない。
今回の変更理由もお答えいただけず不明・・。
特にいつもと変わった様子は見受けられない。
・・・。
んで、結局・・、
増えてるの?減ってるの?
MAX用量から換算すると、
ルーラン 12mg/48mg > 2mg/12mg リスパダール
ルーランの方が多いことになるけど・・。
リスパダールの方が全然強いイメージあるしなぁ・・。
以前に
『眠剤の強さ比較。効果の長さじゃなくて?等価換算表。 』
でベンゾジアゼピン系などの睡眠薬について比較しましたが、抗精神病薬についても強さを表す等価換算表たるものがあるじゃないか!!
これも稲垣中、稲田俊也向精神薬等価換算から抜粋させていただきます。
クロルプロマジンを100とした換算となっております。
商品名 | 一般名 | 維持量(MAX)mg | 等価換算値 |
ウインタミン コントミン | クロルプロマジン | 50~450 | 100 |
インヴェガ | パリペリドン | 6(12) | 1.5 |
インプロメン | ブロムペリドール | 3~18(36) | 2 |
エビリファイ | アリピプラゾール | 6~24(30) | 4 |
エミレース | ネモナプリド | 9~36(60) | 4.5 |
オーラップ | ピモジド | 4~6(9) | 4 |
グラマリール | チアプリド | 75~150 | 100 |
クレミン | モサプラミン | 30~150(300) | 33 |
クロフェクトン | クロカプラミン | 30~150 | 40 |
ジプレキサ | オランザピン | 10(20) | 2.5 |
スピロピタン | スピペロン | 1.5~4.5 | 1 |
セレネース | ハロペリドール | 3~6 | 2 |
セロクエル | クエチアピン | 150~600(750) | 66 |
ドグマチール ミラドール | スルピリド | 300~600(1200) | 200 |
トロペロン | チミペロン | 3~12 | 1.3 |
ニューレプチル | プロペリシアジン | 10~60 | 20 |
ノバミン | プロクロルペラジン | 15~45 | 15 |
バルネチール | スルトピリド | 300~600(1800) | 200 |
ピーゼットシー | ペルフェナジン | 6~48 | 10 |
ヒルナミン レボトミン | レボメプロマジン | 25~200 | 100 |
プロピタン | ピパンペロン | 150~600 | 200 |
ホーリット | オキシペルチン | 80~300 | 80 |
リスパダール | リスペリドン | 2~6(12) | 1 |
ルーラン | ペロスピロン | 12~48(48) | 8 |
ロドピン | ゾテピン | 75~150(450) | 66 |
ロナセン | ブロナンセリン | 8~16(24) | 4 |
青は非定型抗精神病薬。
この表の等価換算値の見方としては、
リスパダール1mgとルーラン8mgとコントミン100mgが同じ強さと考えます。
等価換算値が小さいほど強い薬ってわけです。
薬の処方量/その薬の等価換算値×100(クロルプロマジンの等価換算値)=
でクロルプロマジンに換算した量を求めることができます。
今回のルーランとリスパダールの量を換算してみると、
ルーラン 12mg/8×100=150mg
リスパダール 2mg/1×100=200mg
ルーラン12mgはコントミン150mg分、リスパダール2mgはコントミン200mg分。
この表の結果だけを見ると、リスパダールに変更で少し量が増えたのかな?
調子良くなっての変更ではないな!!
って予想ができますね。
とは言ってもあくまで予想。
変更の本当の理由は結局わからず・・。
1日3回が嫌だったのかもしれないし、OD錠にしたかったのかもしれない。
量に関係なく、単にルーランの鎮静作用が弱いから変えたのかもしれないし、寝付きが悪かったのかもしれない。
・・・。
まぁ、理由はいろいろ考えられます。
ってか、リスパダール12mgってコントミン1200mgと同等!?
リスパダール最強説w
この近辺ではインヴェガは全然流行ってません。