骨粗鬆症治療薬の比較。ビスホスホネート、フォルテオ、プラリア他。

骨粗鬆症治療薬の比較
をしようと思いましたが、全部は無理なので、隣の病院で採用となってるものをまとめたいと思います。
フォサマック/ボナロン、アクトネル/ベネット、リカルボン/ボノテオ、エディロール、ビビアント、フォルテオ、プラリア。

最後に比較表も書く予定
ですが今日中に間に合うかな??

まずは、

ビスホスホネート

作用機序
体内に吸収されると骨中のハイドロキシアパタイトに吸着し、破骨細胞のアポトーシスを誘導することで骨吸収を抑え、骨代謝回転を低下させる。

問題点としては、顎骨壊死非定型大腿骨骨折
非定型大腿骨骨折のことに関してはこちらをご覧ください。
ビスホスホネート長期服用で骨折のリスクが高まる?5年で休薬?FRAX?

顎骨壊死については、2011年のガイドラインでは、
歯科治療が必要となった際には、服用期間が3年未満で危険因子がない場合には原則として休薬せずに継続する。
一方、服用期間が3年以上の場合や3年未満でも危険因子がある場合には、休薬による骨折リスクの上昇、侵襲的歯科治療の必要性、休薬せずに侵襲的歯科治療を行った場合の顎骨壊死のリスクについて、医師と歯科医とが事前に話し合って方針を決める。
休薬の期間は定まっていないが、3ヵ月間が推奨されている。
となってますね。
2015年にガイドライン改訂となってますが、中身確認できてないのでどうなんでしょ?
この件い関して騒がれてないのでそのままだったのかな??

効果は?
フォサマック/ボナロン(アレンドロン)(5)
2年間の胸腰椎の新規骨折発生率は12.2%(対照薬のアルファカルシドールは16.7%)。

アクトネル/ベネット(リセドロン)(2.5)
2年間の非外傷性の椎体骨折(既存骨折の増悪を含む)発生頻度は12.3%(対照薬の記載なし)。

リカルボン/ボノテオ(ミノドロン)(1)
2年間の椎体骨折発生率は10.4%(対照薬は24.0%)相対リスク減少率59%、新規椎体骨折発生率は7.8%(対照薬は18.5%)。

とまぁ、条件も違えば、対照薬も違う、どんな骨折発生率かも違うわけで・・、これだけ見てもさっぱり・・、比較のしようがないですかね。
一応最後に骨密度の比較を表にしてるので参考にしてみてください。

用法など注意点たくさんあってかなり面倒ですけど、週1回や4週に1回の製剤も出てるのでその人に応じた選択ができます。
4週に1回のリカルボン(50)なんかは先生の指示で曜日無視して毎月1日(ついたち)に服用されてる方もいますね。

エディロール(エルデカルシトール)(0.75)

作用機序
エルデカルシトールは活性型ビタミンD3の誘導体であり、活性型ビタミンD3としての薬理学的特性(副甲状腺ホルモン↓、小腸でのカルシウム吸収↑、腎臓でのカルシウム再吸収↑など)を有することから、主に骨代謝回転を抑制して、骨密度及び骨強度を改善すると考えられる。

効果は?
3年間の非外傷性新規椎体骨折発生頻度は13.4%(対照薬のアルファカルシドールは17.5%)相対リスク減少率26%

エディロール併売でシートのデザインが違うので説明が面倒!
しかも、0.5μと0.75μのカプセルが似すぎてるので一包化の監査は嫌ですね・・。
0.5μが若干緑っぽい??
軽度の骨粗鬆症に処方がかなり増えてきてますね。
高カルシウム血症のリスクがあるから定期的な血液検査が必要ですね。


ビビアント(バゼドキシフェン)(20)

作用機序
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)であり、エストロゲン受容体に結合後、組織に応じて受容体の活性を亢進又は抑制する。
骨においては、エストロゲンアゴニスト活性を有し、エストロゲン同様の骨吸収抑制作用を示す。

効果は?
3年間の新規椎体骨折発現頻度は2.34%(対照薬は4.07%)相対リスク減少率42%、非椎体骨折発現頻度は、4.89%(対照薬は9.06%)相対リスク減少率50%

骨折発生率低!!
まぁプラセボも低いんで相対リスク減少率も低いんですけど、この新規椎体骨折発生率の低さは何ですかね?
詳細はインタビューフォームを確認してくださいませ。

乳房などにはアンタゴニストとして作用するので、乳がんの予防効果もあるとか。
副作用の静脈血栓塞栓症には注意が必要ですね。


フォルテオ(テリパラチド)(600)

作用機序
テリパラチドはアミノ酸84個からなる内因性ヒト副甲状腺ホルモンの活性本体である。
1日1回の投与頻度で間欠的に投与すると、前駆細胞から骨芽細胞への分化促進、骨芽細胞のアポトーシス抑制などの作用により、骨梁並びに皮質骨の内膜及び外膜面において骨芽細胞機能が活性化され、破骨細胞機能を上回るため、骨新生が誘発される。
一方、テリパラチドを持続的に皮下投与すると、骨吸収が骨形成を上回るため、結果として骨量減少が生じる。

さっぱりイメージつかめませんが・・。

効果は?
19ヵ月の新規椎体骨折発生率は5.0%(対照薬は14.3%)相対リスク減少率65%

2年間がマックス。毎日自己注射。
適応がフォルテオだけ『骨折の危険性の高い骨粗鬆症』と重い。
従来の薬とは違い骨形成促進作用を有する。

隣の病院から何人か処方出たことありますが、2年も続いてるかな??
処方される方は基本高齢なのでけっこう大変なのかもしれないですね。
同一成分で週1回のテリボンとやらも出たのですが、週1回病院に来るのも大変かぁ・・。


プラリア皮下注(デスノマブ)(60)

作用機序
デスノマブは特異的かつ高い親和性でヒトRANKLに結合するヒト型IgG2モノクローナル抗体である。
RANKLは膜結合型あるいは可溶型として存在し、骨吸収を司る破骨細胞及びその前駆細胞の表面に発現する受容体であるRANKを介して破骨細胞の形成、機能及び生存を調節する必須の蛋白質である。
デノスマブはRANK/RANKL経路を阻害し、破骨細胞の形成を抑制することにより骨吸収を抑制する。
その結果、皮質骨及び海綿骨の骨量を増加させ、骨強度を増強させると考えられる。

こちらも、はぁ・・?って感じ・・。

効果は?
2年間の椎体骨折発生率は3.6%(対照薬は10.3%)相対リスク減少率66%

半年に1回の注射のみですが、血清補正カルシウム値が高値でない限りデノタスチュアブル配合錠などのカルシウム及びビタミンDを毎日服用しないといけない・・。
それに、顎骨壊死と非定型大腿骨骨折の重大な副作用も結局あるかも。


骨密度増加率、半年分薬価、ガイドラインの推奨度まとめ。

  腰椎(L2-L4)
骨密度増加率(%)
大腿骨近位部
骨密度増加率(%)
半年(24週)
分の薬価(円)
ガイドラインの
推奨グレード *4
1年 2年 1年 2年 骨密 椎体 非椎 大腿
フォサマック/
ボナロン(5)
6.2 8.7 3.4
*2
16,951
アクトネル/
ベネット(2.5)
4.9 6.4 18,312
リカルボン/
ボノテオ(1)
5.96 8.27 3.58 22,814
エディロール
(0.75)
2.64 0.62 16,884
ビビアント
(20)
2.52 1.10
*3
19,925
フォルテオ
(20)
10.04 13.42 2.72 3.69 320,118
プラリア
(60)
6.6
*1
9.1
*1
3.5 4.6 29,296

*1 腰椎(L1-L4)骨密度
*2 リカルボンのIFからリカルボンとの比較試験の結果

*3 大腿骨全体骨密度
*4 骨密:骨密度、椎体:椎体骨折、非椎:非椎体骨折、大腿:大腿骨近位部骨折
   骨密度 A:上昇効果あり B:上昇するとの報告あり C:上昇するとの報告なし
   骨折 A:抑制する B:抑制するとの報告あり C:抑制するとの報告なし

比較した試験の結果ではなく、それぞれのインタビューフォームから抜粋した結果です。
若干条件の違いなどあると思うのであくまで参考程度にご覧ください。

ビスホスホネートってこれ以上骨密度低くならないようにが限界だと思ってましたがけっこう骨密度も増加するんですね。
フォルテオの薬価だけずば抜けてる・・。

もっと書きたいことはありましたけど、1回で全部はさすがにきつい・・。
あとで、もう一度見直しますけど間違いがあったらごめんなさい。

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