ザイロリックで薬疹はなぜ多い?フェブリクとの違い。
50歳男性、内科。
Rp1 フェブリク(20) 1T
1日1回朝食後 28TD
Rp2 ミカルディス(40) 1T
アテレック(10) 1T
1日1回朝食後 28TD
「薬変わったけど前のザイロリックと何が違うの?」
ー患者さんの状態ー
前回までザイロリック(100)3T/3×毎食後→
フェブリク(20)1Tに変更。
切り替えなので初回からこの量で問題ない。
クレアチニンが1.4mg/dlあり前回より数値上がっている。
本人は先生から腎臓弱ってきてるから薬変更と聞いているとのこと。
フェブリクはメーカー呼んで勉強会したのでザイロリックとの違いもだいたい頭に入っていました。
たまにはスッと答えましょう。
この時は、
「先生が言っていたように前のザイロリックより腎臓にやさしい薬です。
しかも、前の薬は1日3回でしたが今回のフェブリクは1日1回で効果が続くので、飲むのがだいぶ楽になると思います。」
と返答。
患者さんにはスッと答えましたが、ザイロリックとフェブリクについてまとめときましょう。
1 ザイロリックはもともと抗がん剤として研究された薬みたいでプリン骨格を有し全身性の副作用が多いようです。
ってメーカーの方が言ってましたがネットで検索しても見当たらず・・。
まあ、アロプリノールの中毒性表皮壊死症(TEN)やスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)の報告件数はNo1です。
(平成17年10月1日から平成21年7月31日までの厚生労働省への副作用報告)
フェブリクは非プリン骨格で全身性の副作用が少ないようです。
2 フェブリクは10mgからスタートですが、コンプライアンスが良く、ザイロリックを通常量服用してた方への切り替えは、維持量の40mgでまず問題ないそうです(実際は20mgへの切り替えが多いようですが)。
むしろ、下手に10mgからいくと尿酸値が上がり痛風発作出るかもしれません。
3 ザイロリックは主に腎排泄ですが、フェブリクは腎以外の排泄経路も有するので軽度~中等度の腎機能低下の方にも調節せずに使用できます。
実際はGFRがわかればベストですが、薬局で確認できる範囲として検査データの紙にクレアチニンの記載があれば、1.5mg/dl以下なら調節なく使用できるようです(メーカー談)。
薬の説明はもちろんですが腎機能低下した方に食事のアドバイスなども行えたらいいですね。
この方は血圧もカリウム値も今は問題ないそうです。