クレナフィン爪外用液って爪白癬治療剤のまとめ。効果は?併用は?
2014年9月に
クレナフィン爪外用液(エフィナコナゾール)
が薬価収載され、もう1年が過ぎたので10月から長期投与が可になりましたね。
発売前の話しですが、科研のMRが来て隣の病院でも採用になりましたと製剤見本と資料を持ってきてくれました。
今回はそのときに勉強がてらまとめた内容が中心です。
塗りやすいようにハケがついてるって噂で聞いていましたが、
開けてみてビックリ・・。
本体にハケ付きかい!!
完全にマニキュアをイメージしてましたね・・。
まぁ、冷静に考えればキャップにハケがついてるタイプなわけないですよね。
こぼしちゃいそうですし・・。
この薬ってけっこう注目されてるんですかね?
日本初の外用爪白癬治療剤とのことですよ。
では早速まとめ。
メリットは?
経口の抗真菌薬で多い肝障害などの重篤な副作用がない。
イトリゾールで問題となる相互作用の心配がない。
ってことは、安全性が高く、高齢者や複数の薬剤を服用してる患者への使用制限が少ないので使いやすい。
まぁ、経口薬と外用薬なんでありがちなメリットですね・・。
何で爪白癬に効果があるのか?
クレナフィン(エフィナコナゾール)は爪の主成分であるケラチンとの親和性が低く透過性に優れているので、爪の中や爪の下にまでしっかり浸透して効果を発揮します。
今までの塗り薬だとケラチンに吸着されてしまい爪の下までは届かなかったそうですよ。
効果はどうなの?
まず、爪の感染面積が20~50%の軽度~中等度の爪真菌症患者が対象ということ。
50%を超える患者に対する有効性・安全性は検討されていない・・。
その治験の結果、
完全治癒率は17.8%(基剤群は3.3%)とな。
・・・ん?低くないですか??内服と比べてどうなんですか??
資料を持ってきてくれたMRに聞いてみると・・、
「完全治癒率ってすごくハードルが高くて、かつ試験に時間がかかるので、内服薬では完全治癒率は調べていません。
なので、完全治癒率の比較はちょっと・・。」
まぁ、確かにラミシールのインタビューフォームに完全治癒率なんて載ってませんね。
うまく逃げられた感じ・・。
ちなみに完全治癒って感染面積0%かつ真菌学的治癒(KOH直接鏡検と真菌培養検査がともに陰性)だそうです。
んで、もらった資料に気になる結果が・・、
完全治癒率17.8%って日本、アメリカ、カナダの試験を合わせた結果ですが、↑のグラフは日本の結果のみを抽出したもの。
おっ、日本人だと28.8%もあるじゃないですか!!
ん??
それより基剤のみで11.9%完全治癒!?
何この結果!?
日本人は基剤のみでけっこう治るってかい?
これってもともと爪白癬じゃなかったんじゃないの??
と思わせる結果に・・。
まぁ、効果的には内服薬よりはないと思うので、メリットで書いたように内服薬を使いにくい方が中心になるんでしょうかね?
内服薬と併用ってどうなんでしょ?
↑に書いた通り、内服薬が使いにくい方が中心かと思ってましたが、Credentials No.85の疾患のトリセツの爪白癬の回に『内服薬と併用すると、高い治療効果が期待できます。』と書いてますね。
隣の病院からは併用の処方1度もありませんが、この記事を見ると併用もありなのかな?
ガイドラインの改訂を待ちましょう
薬価は?
1gで1657.5円。
いやいや、液体なんだからmLにしなさいよ!
1本4mL(3.56g)5900.7円。
結構高めですね。
だいたい、1本4mLで爪5本分に対し2週間使えるそうです。
まぁ、親指と小指で大きさが全然違いますが・・・、目安として・・。
最後に見落としがちな注意なんですが、
爪の境目も塗ってくださいと書いてるが、刺激を感じることがあるので皮膚についた液は拭きとる!!