アリセプトにレビー小体型認知症の適応が追加されたときのまとめ。

2014年9月、アリセプト(ドネペジル)に

レビー小体型認知症の効能・効果が追加されましたが、

今回は、その頃に参加したちょっとした製品紹介の勉強会の内容をまとめたブログです。
もう1年以上経ちますが・・、「へぇー」と思ったことなど簡単に書いてます。

詳しい治験のデータなどはエーザイのHPで確認してくださいませ。


まずは、
用法・用量は同じ?

アルツハイマー型では、
通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。
高度のアルツハイマー型認知症患者には、5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により適宜減量する。

レビー小体型では、
通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。
5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。
なお、症状により5mgまで減量できる。

微妙に違いますね。

アルツハイマー型では、高度であれば10mgに増量に対し、
レビー小体型では、一旦必ず10mgまで増量しなきゃいけないみたいな書きかじゃないですか?

メーカーの人の話しでは、4週間以上経過ということで、特にいつまでにと決められているわけではないので、効果が十分であれば、そのまま5mgでも問題ないかと・・。
とのことです。

それに、国内第2相プラセボ対照二重盲検比較試験の結果でも、

アリセプト
こんな感じ。

この結果を見る限り、

完全に5mgのままでいいんじゃない??

ただ、5mgで効果不十分な方に対し10mgに増量で著効を示すケースも多く、このような用法用量になったそうな。

ちなみにMMSEスコアって、日本で言う長谷川式簡易知能評価スケールみたいなものですね。


レビー小体型には少量のアリセプトの方がいいって説は?

メーカーとしては、効果に関して、↑の治験結果で3mgではプラセボと有意差がなかったことと10mgで著効を示すことがあることなど、少量では効果が不十分だと考えます。

それと、アリセプトの量に伴いアセチルコリンが増えると、パーキンソン症状の悪化が起きるのでは?という懸念もありましたが、治験の結果、アリセプトの量が増えてもパーキンソン症状は増えませんでしたので、その心配もありません。
アリセプト2
ほうほう。
ただし、パーキンソン病の方には慎重投与ですね。


アリセプトのジェネリックの適応は?

もちろん、しばらくはジェネリックにレビー小体型認知症の効能・効果はありませんよ。
ジェネリックへの代替は不可!!

しかも、今までアルツハイマー型認知症の病名でアリセプトが処方された方に対しても、レビー小体型と確定されれば、ジェネリックへの代替不可にチェックを入れた処方していただくよう、医師にお願いしているとか・・。

いやいや、それは正しいことかもしれませんけど・・、今までジェネリックにしてた人が不可になって、薬代が跳ね上がったら、

何て説明すりゃいいのさ!!

メーカーのせいにするしかないけど。
それでも納得はしてもらえないよね。
まぁ、そんな処方は来ないと信じて・・。


レビー小体型認知症って結局何?

レビー小体型認知症:主に大脳皮質にレビー小体という円形状の異常なたんぱく質が多数見られる。

パーキンソン病:主に中脳の黒質にレビー小体が見られる。

似てますね。

なので、
レビー小体型認知症ではパーキンソン症状の出現が特徴の1つですね。

他に特徴的な症状として、
認知機能の変動。
要は、日によって良かったり悪かったりを繰り返す感じ。

あとは、具体的な幻視。

これらが中核的な特徴で、診断の重要なポイントとなります。

では、今回はこの辺で。

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