アクトスの膀胱癌発生リスクは今どうなった?KPNC疫学研究の最終結果。

アクトス(ピオグリタゾン)って、

インスリン抵抗性改善剤と呼ばれていますが、インスリン抵抗性って何?

まずそこからw

インスリン抵抗性ってインスリンが出ていても正常に働いてない状態で、細胞の中にブドウ糖がうまく入っていかず血糖値が下がりません。

アクトスはPPARγって脂肪細胞の核内の転写調節因子、確かピーパーガンマって読むんだったか・・、これを刺激することでパンパンに肥大した脂肪細胞を分化し小さくするのを促進、ブドウ糖を細胞内に入りやすい状態にします。
おぉ、インスリン抵抗性が改善してるw

メトグルコにもインスリン抵抗性改善の作用があったり、何ならARBのミカルディスにもPPARγを刺激する作用があったりしますけど、インスリン抵抗性改善剤と堂々と掲げられる薬は今のところアクトスしかありませんね。

そのアクトスに膀胱癌発生のリスクがあると騒がれたのは平成23年6月。
その時はアクトスが中止になる人もいましたし、リスクについていろいろと患者さんから聞かれることもありましたが、最近はすっかり下火でその後どうなったの?って感じ・・。
まぁ、自ら調べるところまではいってなかったですが、去年の12月の日薬誌を見てたところ、ついにアクトスと膀胱癌のその後の話が載っておりました。
ってか、去年の10月にすでにアクトスの添付文書も改訂になってますね。
ちとご紹介させていただきます。

過去の流れはこんな感じ。

平成23年
6月9日
フランス保健製品衛生安全庁(Afssaps)は、フランスにて実施されたアクトス使用患者の膀胱癌発生リスクに関する疫学研究(CNAMTS研究)の結果を受け、当該医薬品の新規処方の差し止めを通達
平成23年
6月10日
ドイツ連邦医薬品医療機器庁はフランスと同様の使用制限を実施
平成23年
6月15日
米国食品医薬品庁(FDA)は、米国にて実施された糖尿病患者を対象とした10年間の観察コホート研究(KPNC疫学研究)の5年目の中間解析結果等に基づき、「active bladder cancer」にはアクトスを使用しない旨の勧告を公開
平成23年
6月23日
欧州医薬品庁(EMA)は、使用制限は行わず、全欧州として対応を検討する旨を発表
平成23年
6月24日
日本では厚生労働省が「重要な基本的注意」及び「その他の注意」の項の添付文書改訂を指示

そのときの日本での添付文書の改訂の内容は、

「重要な基本的注意」
海外で実施した糖尿病患者を対象とした疫学研究において、本剤を投与された患者で膀胱癌の発生リスクが増加するおそれがあり、また、投与期間が長くなるとリスクが増える傾向が認められているので、以下の点に注意すること(「その他の注意」の項参照)。
・膀胱癌治療中の患者には投与を避けること。また、特に、膀胱癌の既往を有する患者には本剤の有効性及び危険性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断すること。
・投与開始に先立ち、患者又はその家族に膀胱癌発症のリスクを十分に説明してから投与すること。また、投与中に血尿、頻尿、排尿痛等の症状が認められた場合には、直ちに受診するよう患者に指導すること。
・投与中は、定期的に尿検査等を実施し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、投与終了後も継続して、十分な観察を行うこと。

「その他の注意」
海外で実施した糖尿病患者を対象とした疫学研究の中間解析において、全体解析では膀胱癌の発生リスクに有意差は認められなかったが(ハザード比 1.2[95%信頼区間 0.9-1.5])、層別解析で本剤の投与期間が2年以上で膀胱癌の発生リスクが有意に増加した(ハザード比 1.4[95%信頼区間 1.03-2.0])。
また、別の疫学研究において、本剤を投与された患者で膀胱癌の発生リスクが有意に増加し(ハザード比 1.22[95%信頼区間 1.05-1.43])、投与期間が1年以上で膀胱癌の発生リスクが有意に増加した(ハザード比 1.34[95%信頼区間 1.02-1.75])。

を追記。

「層別解析で本剤の投与期間が2年以上で膀胱癌の発生リスクが有意に増加した」


っていうのは、1997年1月から2002年12月の期間に40歳以上で、糖尿病の患者193099例を対象に2012年12月まで追跡したデータをもとに、アクトスと膀胱癌発生の関連を調査。米国ペンシルバニア大学とKaiser Permanente医療保険グループ(KPNC)の研究部門が実施。
の5年目の中間解析結果。

そして、10年目の最終結果がでました。

アクトス使用患者と非使用患者を比較した膀胱癌の発生リスクについては、統計的に有意なリスク増加は認められず、またいずれの層でも有意なリスク増加は認められなかった
とな。

5年目の中間解析結果と10年目の最終解析結果で差異が生じたわけですが、要因が小難しく書いてますね・・。
腫瘍プロモーターの生物学的特性、検出バイアス、処方パターンまたは膀胱癌スクリーニングの変化、偶然等が考えられますが、観察された結果の全てに当てはまる説明が可能な要因はなく・・。って結局わからんのかい。しかも、偶然等って・・w

この結果を受けて、アクトスの添付文書が改訂されてますけど・・。
結局、膀胱癌の発生リスク増加の可能性を示唆する研究も報告されており、リスク増加の可能性が完全には否定できないので、「重要な基本的注意」の中身はそのまま。
「その他の注意」の研究結果は改訂。

まとめ
アメリカの大きい試験の最終結果では、アクトスと膀胱癌発生のリスク増加は認められなかったけど、イギリスや台湾などの試験の結果では、有意なリスク増加が認められており、引き続き、『膀胱癌治療中の患者には投与を避けること。膀胱癌の既往を有する患者には本剤の有効性及び危険性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断すること。投与開始に先立ち、患者又はその家族に膀胱癌発症のリスクを十分に説明してから投与すること。投与中に血尿、頻尿、排尿痛等の症状が認められた場合には、直ちに受診するよう患者に指導すること。投与中は、定期的に尿検査等を実施し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。投与終了後も継続して、十分な観察を行うこと。』と注意はそのまま。

文字が多いけど内容がない・・。
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