腎機能低下患者へのクラビットの複雑な用法。透析患者も同じ?
62歳男性、内科。
Rp1 クラビット(500) 1T
1日1回夕食後 1TD
12月7日服用
Rp2 クラビット(500) 0.5T
1日1回夕食後 2TD
12月9日、11日服用
「何すか?この複雑な処方は?」
新人薬剤師君が言いました。
私 「ん?・・・。」
見たことない処方・・。
私 「腎機能でも低下してるんじゃないの?
薬歴で患者さんの情報チェックと添付文書見てみなっ!」
と返答してみる・・。
腎障害や肝障害で薬が減量されて出ることは当たり前ですが、
こんな複雑な用法の薬あったけ??
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ズバリ!そうでした・・。
クラビットは腎機能の程度により複雑な調節が指示されていたんですね。
新人君 「この患者さん透析受けてます。」
おや?
Ccr<20 とは書いてますが・・・、透析の記載はないですね・・。
いいのかな??
クラビットのQ&Aに、
『日本ではクラビット経口剤の透析患者さんへの投与方法は確立しておりません。
米国での血液透析又はCAPDを受けている患者さんへの投与方法は、日本の腎障害患者さんCcr<20の投与方法と同じで、初日500mgを1回、3日目以降250mgを2日に1回投与となっています。』
とのことです。
ついでに、添付文書に、
『血液透析又はCAPDは、体内からのレボフロキサシン除去への影響は少ないと報告があり、透析後の追加投与は不要と考えられる。』
インタビューフォームも確認してみましょうかね。
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ほうほう。
Ccr<20の腎障害患者では、48時間の累積尿中排泄率は28.28%で、
血液透析4時間の平均除去率は36.9%。
うーん、これだけ見ても正確な血中濃度はわかりませんけど、血液透析で除去されすぎて、次回服用時のCmaxが極端に低くなることはなさそうな感じ。
クラビットの場合、濃度依存性なので、Cmaxが低くなると効果の面でも耐性の面でも問題ですもんね。
言い訳ですが、最近隣の病院で、透析患者さんの院外処方が出るようになったばかりで経験が・・。
高度の腎障害の方へのクラビットも・・経験ないですね・・。
大変勉強になりました。